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欧米諸国を中心に、ライフスタイルとして、ビーガン (絶対菜食主義) やベジタリアン (完全菜食主義) として衣食住を送る人は非常に多く、言語の異なる日本でビーガン料理を食べられるレストランを探す人々は数多存在する。
特に、お肉やお魚を基本として作られる料理が多くを占める日本では、ビーガンは手頃なものになりにくく、文化としてもなかなか受け入れられづらい。
また、日本のビーガン料理と言うと、量が少なかったり、お値段が張ってしまったり、味に満足できなかったりといったイメージを持たれることも多い。
世界的に見れば、まだまだ理解度も浸透度も薄い日本だが、グローバル化が進み、観光客は年々増え続ける状況で、ビーガンへの需要は高まる一方である。
こうした状況の中、質の高いビーガン料理を、居心地の良い空間のもと、至極リーズナブルな価格で楽しめるお店が増え始めている。ビーガンでもそうでなくとも最高に満足できる、スタイリッシュで健康的で、心も身体も温まる人気店を厳選して4店ご紹介。
なぎ食堂 (渋谷)

渋谷駅西口から徒歩7分、渋谷の喧騒を少し抜けた閑静なエリアになぎ食堂は店を構える。こぢんまりと居心地の良い落ち着いた空間に、全メニュー肉・魚・卵など動物性食材不使用で、お手製完全菜食の日本食を提供するレストランである。オーナーさんいわく「和食とエスニック、そして世界中のベジ料理をオリジナルにリアレンジした」お店だそうだ。
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何といってもその魅力は、ありとあらゆるものに魚・肉が使用される ”日本食” が、ビーガンで食べられる環境。そして驚くほどにクオリティー高きメニューの数々。「日本に来たら日本食を食べたい!」と思う訪日外国人は数多存在するはずだが、「ビーガン」という考え方そのものが未だ日本ではマイナーで、ビーガンの方が日本食を楽しめる場所がなかなかないのが現状。そんな方々に特にオススメのスポットがこのなぎ食堂である。


なぎAプレート (1,000円) と、なぎランチプレート (1,200円)。大豆ミートを使用し、ニラと醤油を合わせた特製ソースを使用したビーガン唐揚げをメインに、玄米ごはんにお味噌汁、数種のお漬物を添えた、いわゆる “日本の家庭の味” が超本格スタイルで楽しめるなぎAプレート。何と言っても特筆すべきは、味、食感、歯ごたえともお肉を使用した本物と一切遜色のないビーガン唐揚げ。ともすれば普通の唐揚げより美味しい絶品である。ビーガンの方もそうでない方も、もれなく舌鼓を打つ代物だ。なぎランチプレートは、10種を超えるデリメニューから三品選んで自分好みのごはんが楽しめるスタイル。今回は、特に人気が高いという、「ファラフェル 豆腐マヨネーズソース」、「厚揚げとキノコのココナツ煮込み」、「キャベツとインゲンのポリヤル」を注文した。こちらにもAプレート同様に玄米ごはんにお味噌汁、数種のお漬物が付属する、日本の昔ながらの「定食」スタイルでごはんをいただける。
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初めて訪れる人も、常連の方も、お一人でも、ご友人とでも、アットホームで温かみたっぷりの空間で食事を楽しめば、思わず長居してしまったり、時間を忘れて話に華を咲かせてしまうこと請け合いだ。
日本料理でビーガンを探すのは大変!というイメージは外国人・日本人問わず多いと思うが、なぎ食堂はそんな心配を完全に払拭してくれる、日本料理の美味しさ・温かさを心と身体で感じさせてくれる居心地抜群の完全菜食な日本食レストランである。
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なぎ食堂
- 住所 〒150-0032 東京都渋谷区鶯谷町15-10
-
最寄駅
渋谷駅
- 電話 03-3461-3280
営業時間:月ー土 12:00-16:00 (ラストオーダー 15:00)、18:00-23:00 (ラストオーダー 22:30)、日 12:00-16:00 (ラストオーダー 15:00)
定休日:年中無休
AIN SOPH. Ripple (新宿)

東京×ビーガンと聞いて多くの人が思い浮かべるであろう、都内各地に多数のビーガンレストランを展開する “Ain Soph”。今回ご紹介するのは、AINSOPHがハンバーガーやブリトーなどアメリカのファストフード文化に密接・特化したお店「AIN SOPH. Ripple」。特に日本のビーガン料理で想像されがちな「健康志向で、値が張る上に量が少ない」などの問題を完全に払拭しているのがRippleで、こちらのお店で提供されるメニューは、総じて”美味しくて、お腹いっぱい食べられて、しかもビーガンごはんっぽさも一切なく、安い”のである。


お店で一番人気なRippleチーズバーガー (1,350円) と、日本では稀有な存在のアメリカの家庭料理マカロニ&チーズ (648円)。お肉感抜群の歯ごたえと本物のお肉と一切違わぬジューシーさが味わい深い大豆ミートには、よりバーガー感を齟齬なく再現するために、きのこやこんにゃく等を用いられているそうで、これがもう普通のハンバーガーをも凌駕するような、圧巻の旨み。実際、お客さんの中には本当にお肉が入っていないのかと、お店の方に尋ねる方もおられるそうで、綿密な研究と熱意に裏付けられたそのクオリティの高さがとにかく素晴らしい。マック&チーズも本当に絶品で、チーズを使わずにこんな味が作れるのかと、実際に食べてみて思わず笑みがこぼれたほど。日本でマック&チーズを食べられるだけでも珍しいのに、それがビーガンで楽しめるなんて、トライしない手はないはずだ。
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Rippleチーズバーガーとあわせて高い支持を集めるバーガーメニューがクリスピーチキンバーガー (1,188 yen)。まるで本物のチキンを食べているような食感のチキンは手作りの大豆ミートにグルテンミートを混ぜ合わせているとのことで、こちらも最高の歯ごたえと味わいが口いっぱいに広がる。”日本のビーガン料理なんて!”と疑念を抱く人々の期待をことごとく裏切ってくれる本物のビーガン料理を提供する。
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Rippleで提供されるメニューは全て、もちろん動物性食材一切不使用のビーガン料理のみ。食にこれだけバリエーションがあり、グローバル化も進む日本で、依然として牛歩のようなペースで進む”ビーガン”というライフスタイルへの理解と、その浸透度。さらに、ビーガンに触れたことがあっても、多くの人々が日本のビーガンに対し抱くイメージは、”値段が張る”、”価格の割にお腹いっぱい食べられない”、”味に満足できない”など。でもそんな想いを全て取っ払い、極めて食材にこだわり、クオリティの高いものをと、日本人にも欧米諸国の方にも、ビーガンでも、そうでなくとも、誰にもきっちり美味しく届く形で、手頃で美味しい植物性由来の食事を提供するのがRippleだ。
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Ripple立ち上げからコンセプトやメニュー考案、後にディレクターまで務めた山口さんは現在某大手航空会社の国際便のビーガンメニューのプロデュースもやっておられるとのことなので、もしRippleに足を運ぶチャンスがなくとも、運が良ければ旅の途中で機内でRippleと同じ脈略を踏む、最高に美味しいユーザー目線にこだわる食事にありつけるかもしれない。
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AIN SOPH. Ripple
- 住所 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-46-8 日章ビル1F
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最寄駅
新宿駅・西武新宿駅
- 電話 03-6380-3205
営業時間月ー土 11:00 - 21:30、日祝 11:00 - 20:30
営業時間:年中無休
T’s たんたん (東京駅)

東京駅構内京葉ストリートに店を構える”T’sたんたん”。その立地の良さから、ビーガンの方は元より、ラーメン好きな人たちの中でも大きな話題となり、連日国内外多くのお客さんがこのお店の味を求めて長蛇の列をなす。東京駅構内での営業のため、早朝7時から夜23時まで営業なのも実に良心的。早朝にお出かけされる方も、夜帰りが遅くなった方でも軽食代わりに食べられるので、時間帯を選ばずラーメンを美味しくヘルシーに食べられるのも人気の秘密。
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お店の名前に顕著なように、コクと旨みのある担々麺が自慢のお店。坦々麺だけでも常時5種類を展開し、そのほかにも、ベジ醤油ラーメンやとんこつ風ラーメンを提供。サイドメニューでカレー丼やからあげ丼、ベジ餃子まで食べられるラインナップの豊富さも魅力的。
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
一般的に、ラーメンとはお肉や魚介類をたくさん使用した高カロリーな食べ物という印象を抱く方も多いと思うが、T’sたんたんでは肉・魚介類・乳製品・卵などの動物性食材を一切使っていないので、極めて健康的で、普通のラーメンと寸分違わぬ超ハイクオリティのラーメンを、非常に良心的な廉価でお腹いっぱいに食べられる。ビーガンの方、アレルギーや食事制限がある方はもちろんのこと、お肉が好きな方でも、何でも食べられる方でも、誰もが楽しく美味しいものを食べられる環境をと、とことんこだわって作られたお店で食べるラーメンは、ビーガン・ベジタリアンにも、そうでなくとも、本当に格別の一品揃い。ご旅行の道中に、東京駅にお立ち寄りの際に、ぜひ一度お試しあれ。
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T's たんたん (東京駅京葉ストリート店)
- 住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 (改札内) Keiyo Street
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最寄駅
東京駅
- 電話 03-3218-8040
営業時間:7:00-23:00 (ラストオーダー 22:30)
定休日:年中無休
Falafel Brothers (六本木)
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六本木駅ほど近くに店を構えるFalafel Brothersはこぢんまりとした雰囲気あるスタンド形式のファラフェル専門店。ファラフェルは中東由来の食べ物で、ヒヨコマメまたはソラマメから作られるコロッケのような食べ物。日本では馴染みが薄いが、中東はもちろんのこと、欧米諸国ではお馴染みの動物性の食材を使用しない、ビーガン・ベジタリアンフードのひとつ。
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日夜多くの人々で常にごった返す六本木に位置するとあって、メインはテイクアウトだが店内と店外にちょっとしたイートインスペースがあるので、お店で食べても楽しいだろう。極めて良心的な価格で提供される、ごろごろと大きなファラフェル。ピタで挟んでサンドウィッチにしたり、サラダにしていただくのだが、これが本当にボリュームたっぷりでジューシーで、お肉が大好きな人をも大満足させてしまう逸品。”日本のビーガン料理”への量が少ないことへの不安感も味への不安感も、ここでは心配ご無用。お腹いっぱいに膨れる上に、食材はヘルシーなものしか使用されていないため、お得感も抜群。

常時8種類ほどのトッピングをラインナップし、ショーケース内の素材は日替わり、いつ足を運んでも違う味を楽しめるのも楽しい。彩り鮮やかなソースにサラダにピタにファラフェルにと、味わいの豊かさに加え、見た目にも色味豊かでSNSにも映えて申し分なし。ファラフェルはビーガンというライフスタイル以上に、日本人には馴染みの薄いものかもしれないが、一度食べれば病み付きになる味わい深さに、ぎっしり詰まるうまみ、こんなにも食べて見てワクワクさせてくれる食事はなかなかないだろう。ファラフェルが好きな方はもちろんのこと、ファラフェルやビーガンに見識のない方にこそ、ぜひ一度その美味しさにありついてみてほしい。
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Falafel Brothers
- 住所 5-1-10 Roppongi, Minato-ku, Tokyo 1060032 Japan
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最寄駅
六本木駅
- 電話 03-6459-2844
営業時間:月ー土 11:00-22:00
定休日:日曜日
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今回ご紹介したどのお店の方とお話をしても、共通して出てきたテーマがある。それは「世界的に見れば、日本はまだまだビーガンに対しての理解も、世間的な浸透度も薄いが、ヘルシー志向のものと捉えられがちな”日本のビーガン料理”に対するイメージを払拭する」こと。そして「ビーガンでもそうでなくとも心から楽しめる美味しいお料理を提供する」こと。動物性食材を一切使用しない絶対菜食なビーガンというライフスタイルは、動物愛護の観点からも、私たち人間の健康面を鑑みても、広く知られるべき考え方である。ビーガンやベジタリアンの方はもちろんのこと、これらにあまり見識のない人でも、お肉・お魚など何でも食べられる人でも、こだわり深い質高き美味しい逸品をお探しの方にも、どんな人にも心からオススメしたい名店ぞろいだ。
どうしてもお値段の張るビーガン料理を、いかに廉価でボリューミーに、美しく提供するかに強くこだわりを持った方たちばかりであったのがすごく印象的である。
ライター:リンジー・ショルツ
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