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前にも触れた通り、単に茶葉を粉末にしただけでは「抹茶」とは呼べない。詳細については「抹茶の定義と種類」をご覧いただくとして、本物の抹茶を作るために重要となるのは、栽培方法、収穫方法、そして加工方法だ。
チャノキの栽培
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抹茶は、緑茶や烏龍茶、紅茶といったほとんどの種類の茶と同じ植物である「チャノキ」が原料となる。しかしその育ち方や収穫方法、生産方法は、他の茶とは異なる。また、チャノキの品種によって品質が大きく左右されることもある。なお、「さみどり」「おくみどり」「やぶきた」という日本で生産されている3品種のチャノキを原料としたものが、最高級の抹茶といわれている。
4月上旬、若葉が芽吹き始めると、そこから少なくとも20日間はチャノキに覆いが被される。これは日光を遮ることによって光合成の速度を下げ、うま味成分であるテアニンが渋味のタンニンに変化することを抑える、重要な製造工程だ。この工程によって苦味の少ない抹茶独特の味わいはもちろん、鮮やかな緑色も引き出される。
茶葉の収穫
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茶の収穫は立春から数えて88日目、夏も近づく5月上旬から始まる。摘むのは、最も小さく若い新芽のみ。また最初の収穫日に摘まれた茶葉は、品質・風味ともに最高級とされている。
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高温で蒸す
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収穫された新鮮な茶葉は、酸化酵素の活動を止めて鮮やかな緑色を保つために高温で蒸される。この工程は他のタイプの茶にはない、日本茶特有のものだ。
冷却と乾燥
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蒸し終わった茶葉は、マルチチャンバ式の乾燥機でゆっくりと水分を吹き飛ばしながら冷却される。さらにこの茶葉に、熱風を当てながら乾燥させる。この状態の茶葉を「荒茶」または「荒茶碾茶」と呼ぶ。
原料と品質の分別
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乾燥した茶葉は、等級分けがされる。その前にまず、ドラム式の特殊な装置によって荒茶から茎や葉脈を取り除く作業が行われる。そして残った濃い緑色の部分が「碾茶」と呼ばれる抹茶の素となる。
碾茶を挽く
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いよいよ「碾茶」を細かい粉末状にする最終工程だ。かつてこの作業は石臼を使って手作業で行われていたが、現在では花崗岩を材質とした大きな回転式茶臼で粉砕される。この工程によって、数ミクロンという細かな抹茶の粒子ができあがる。またこの工程は非常に時間がかかり、1時間にわずか30~70gの抹茶しか製造できない。完成した抹茶は酸化によって風味を失われないよう、ただちに低温倉庫に貯蔵される。
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