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「天龍寺」は京都・嵐山を代表する禅寺。法堂(はっとう)の天井に大きな龍が描かれた雲龍図をはじめ、参拝客を出迎えるだるま図、亀山と嵐山を借景にした広大な庭園など、境内には見どころがたくさんあります。思わず息を飲む美しい寺院「天龍寺」の全貌をご紹介します。
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天龍寺とはどんなお寺なのか
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天龍寺は、京都の禅寺を代表する格式高い寺院「京都五山」のひとつで、その中でも"第一位"に数えられたお寺。日本最初の史跡・特別名勝に指定された「曹源池庭園(そうげんちていえん)」をはじめ、美しい風景と禅寺ならではの静謐な雰囲気が体感できるとして、多くの人が参拝に訪れています。
禅寺とは仏教の中でも臨済宗や曹洞宗などを含む「禅宗」のお寺のこと。天龍寺は臨済宗の寺院であり、「公案(こうあん)」と呼ばれる仏道修行のための問いに取り組みながら坐禅修行をし、心の迷いが解け真理を会得する、“悟りの境地”を目指します。
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天龍寺の入り口は、嵐山の目抜き通りにある嵐電「嵐山駅」を出てすぐ目の前にあり、とてもわかりやすい場所です。嵐山観光において外せない場所のひとつといえるでしょう。
- 嵐電「嵐山駅」から:駅を出てすぐに天龍寺の入り口あり。
- JR「京都駅」から:JR嵯峨野線に乗車し「嵯峨嵐山駅」で下車(約17分、片道240円)。南西方向へ徒歩約13分。
- JR「大阪駅」から:JR東海道線新快速に乗車し「京都駅」で下車。JR嵯峨野線に乗り換え「嵯峨嵐山駅」へ(約1時間、片道990円)。南西方向へ徒歩約13分。
- JR「関西空港駅」から:JR関空快速に乗車し「大阪駅」で下車。JR京都線新快速に乗り換え「京都駅」まで。さらにJR嵯峨野線に乗り換えて「嵯峨嵐山駅」へ(約2時間34分、片道2,200円)。南西方向へ徒歩約13分。
参拝時間や参拝料
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天龍寺は大きく分けて3つのセクションがあり、参拝するにはそれぞれ受付を済ませる必要があります。
①庭園
曹源池庭園(そうげんちていえん)、百花苑(ひゃっかえん)といった、庭園エリアのみを指します。お堂に上がることはできません。
■参拝時間:8:30~17:00[受付終了16:50](庭園受付・北門受付)
■参拝料:大人500円、小・中学生300円、未就学児無料
②諸堂
曹源池庭園や百花苑を眺められる大方丈や、書院、多宝殿などのお堂を指します。お堂のみの参拝はできず、庭園とセットでの参拝となります。
■参拝時間:8:30~16:45 [受付終了16:30]
■参拝料:庭園参拝料に300円を追加
③法堂(はっとう)
天龍寺の象徴ともいえる、天井に龍が描かれた法堂のみを指します。春・夏・秋は毎日公開期間あり、それ以外は土・日曜、祝日のみの公開です。
■参拝時間:9:00~16:30 [受付終了16:20]
■参拝料:1人500円
- 庭園受付:正門入り口から入ってしばらく進んだ先に見える売店先の大きな石段を上がった左側
- 庫裏受付:売店の先にある大きな石段を上がった正面が「庫裏(くり)」の入り口
- 北門受付:竹林の小径に面した入り口
天龍寺の見どころを一挙にご紹介
天龍寺に訪れた際に、ぜひ見学しておきたい4つのポイントをご紹介。自然豊かな庭園、見事な龍の天井画、思わず圧倒される画など、じっくりと楽しみましょう。
1.庫裏の達磨図
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天龍寺の正門入り口から入って突き当たりにある「庫裏」は、大きな三角形の壁が特徴的な伽藍(がらん・寺院における建物のこと)。台所兼寺務所の機能を持ち、入り口には諸堂参拝の際の受付も設けられています。
白壁を縦横に区切る独特の装飾や、曲線を帯びた屋根の形など、外観だけでも見応えがあります。
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庫裏に入った正面に置かれた衝立には大胆な筆使いの「達磨(だるま)図」が掲げられており、天龍寺を代表する画として有名。モチーフは禅宗の祖師で、インドから中国に渡って禅宗を伝えた達磨大師です。
2.お堂の外から見る庭園
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約700年前、臨済宗の僧侶でさまざまな庭園を造ったと伝えられる夢窓国師(むそうこくし)が手がけた曹源池庭園。曹源池という大きな池を巡る形で作庭され、嵐山や亀山を借景(遠くの山など自然の景色を、その庭の一部であるかのように利用する造園法)に取り込むことで、雄大な美しさを叶えています。
池を中心にし、園内を歩きながら楽しむ「池泉回遊式庭園」で曹源池の周りを巡ることができます。お堂の軒下部分にも歩道が設けられ、ゆっくりと鑑賞することができます。
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歩いて鑑賞するだけでなく、木製ベンチに座ってじっくり眺めるのもおすすめです。ひと時立ち止まって庭園と対峙し、自然の音や香りを全身で感じれば心が洗われるでしょう。
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歩道部分からお堂の中を見ることもできます。広々とした畳敷きの空間は、シンプルでありながら豊かさも感じます。遠くまですっきりと抜けた大広間をご堪能あれ。


北門の開設と同じく、1983年に整備された庭園「百花苑」。自然の傾斜に沿って苑路が造られ、さまざまな花や樹木が植えられています。花や木々に囲まれながら、ゆったりと散策を楽しみましょう。
3.お堂の中から見る庭園
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お堂に上がって見る庭園こそ、天龍寺の醍醐味。曹源池の周囲にある白い石、水面に映る木々、隅々までデザインされた大小さまざまな庭など、一つひとつ見応えがあります。
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この庭園では、立って歩きながら眺めるだけでなく、縁側に座って静かに眺めてみるのがおすすめです。鳥の鳴き声、風のそよぎ、木々のざわめき、水面の揺れなど自然の細やかな動きを全身で感じることで、自分と自然とが一体となったような、なんともいえない開放感に包まれます。
4.龍の図を堪能
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法堂の天井に描かれた「雲龍図(うんりゅうず)」もぜひ見ておきたいです。著名な日本画家・加山又造(かやままたぞう)画伯によって描かれた龍は大迫力。直径9mの二重円相内で躍動する龍は今にも飛び出してきそうで、圧倒されます。
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この龍はどの角度から見てもこちらを向いているように見える「八方にらみの龍」とも言われています。さまざまな角度から龍を見て、角度によって印象が異なる姿をぜひ体感してみて。(法堂内は撮影不可)
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また、曹源池庭園の向かい側、大方丈(お堂)の襖にも雲龍図を拝見することができます。縦165cm、横10mあまりという巨大な空間に描かれた躍動感たっぷりの龍。ぎろりと睨みをきかせた目玉や鋭い爪も印象深く、ハッとする大胆さと神々しさを備えます。
季節によって様変わり!
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嵐山ならではの自然を間近に感じられる天龍寺は、春・夏・秋・冬と一年を通してさまざまに表情を変えるのも魅力です。桜が咲き誇る春や艶やかな秋はもちろんのこと、濃厚な緑と抜けるような青空でエネルギッシュな夏、厳しい冬の風景もまた格別です。さらに、雨が降ればしっとり落ち着き、雨音も相まって癒やしのひと時となるでしょう。
境内の精進料理店「篩月」へも!
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天龍寺の境内にある精進料理店「篩月(しげつ)」では、「ミシュランガイド」でもビブグルマンに認定された絶品のお料理がいただけます。
動物性の素材を一切使用せず、野菜を中心に山菜、野草、海藻類を用いて作られ、どれも繊細で滋味深い味わい。ヘルシーで体にも優しいお料理一つひとつをぜひじっくり味わって。

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お料理は雪3,800円、月6,500円、花9,000円の3種類の3種類で、内容は季節によって変更。別途庭園参拝料として500円が必要となります。「雪」以外は2名以上で前日までに予約が必要。電話かHPの予約フォーム 、また下記より予約できます。
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篩月
- 住所 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
電話番号:075-882-9725(9:00~17:00)
営業時間:11:00〜14:00
定休日:木曜
嵐山・天龍寺で心を穏やかにする
嵐山の中心部にありながら、境内は落ち着き、美しい自然の風景が楽しめる天龍寺。天井や襖に描かれた雲龍図や筆力溢れる達磨図などの迫力ある画に圧倒されつつ、自然を感じる庭園でちょっとひと息。美しく、静謐で、大胆さも兼ね備えた禅寺、天龍寺で、忘れられないひと時を過ごしてください。
※本記事の情報は2020年8月時点のものを2024年9月に更新しています。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
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天龍寺
- 住所 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
電話番号: 075-881-1235(8:30~17:30)
参拝時間:8:30〜17:00(受付終了は16:50)
参拝料:庭園:高校生以上500円、小・中学生300円、未就学児無料
諸堂(大方丈、書院、多宝殿):庭園参拝料に300円追加 ※行事等により諸堂参拝休止日あり
法堂「雲龍図」特別公開:500円 ※土・日曜、祝日のみの公開(春夏秋は毎日公開期間あり)
定休日:無休
松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています
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