
最近の日本は、春の桜や秋の紅葉、冬の雪景色などを楽しみに訪れる外国人旅行客で大いに賑わっています。だからこそ、ぜひ知っておきたいのが「観光地の最新の注意点」。楽しく快適な日本旅行を楽しむためにも、ぜひご一読ください!
訪日外国人旅行客で盛り上がる日本だからこそ!知っておきたい注意事項
日本の観光名所の四季折々の美しい風景は、世界中の観光客から人気ですが、観光シーズンは混雑状況や交通機関の運行状況を把握しておく必要があるほか、天候やその地方ならではの現地ルールなどにも注意が必要です。
そこでこの記事では、日本の観光地を訪れる際の注意事項について、現役ツアーコンダクター×旅ライターの島田みゆが詳しくご紹介。実際に観光シーズン真っ只中の河口湖を訪れて気づいた体験談も交えて、知っておくと役立つ「観光客向けの便利情報」や「安全で快適な旅を過ごすためのヒント」を解説します。
1. 日本の観光地には、まだまだ「キャッシュレス」なところも。現金の準備を忘れずに!
訪日外国人に人気の旅行先は、東京や大阪、京都などの都市部ももちろんですが、そこから足を伸ばして日帰り旅行や1泊旅行を楽しめる自然豊かな観光スポットもたくさんあります。こうした場所は、都市部に比べるとキャッシュレスが進んでおらず、クレジットカードや電子マネーが使えない場所もあります。毎月のようにツアーコンダクターの仕事で海外に行く私ですが、キャッシュレスは日本よりも海外のほうがはるかに進んでいると感じます。
日本でも屈指の観光スポットである、河口湖、箱根、日光、高野山などの有名観光地であっても、現金しか使えない店舗やサービスがまだまだたくさんあります。特に、こうした観光地で行われる「●●祭り」といった期間限定イベントの際は、現金がマストなケースもよく見られます。
また、現地で現金を下ろそうと思っても、コンビニが少なかったり、ATMがなかったりして、思うように現金が手に入らない場合もあります。そんな時に困らないよう、空港や都市部などにいるうちに、少し多めの現金を準備しておきましょう。可能であれば、1万円札ではなく、千円札や小銭などの細かいお金があるとより便利です。

こちらは、秋に訪れた「富士河口湖紅葉祭り」の様子です。写真のように、湖畔沿いにはさまざまなフードの屋台やクラフト市の露店が出ていましたが、そのほとんどが現金のみの対応でした。
- 地方に行くと、クレジットカードや電子マネーは使えないところも多いことに注意
- コンビニやATMが近くにないことも考慮して、あらかじめ多めに現金を用意しておく
- 細かいお金があるとより使いやすいので、千円札や小銭を準備しておく
<現金が必要なシーンの例>
フード屋台/蚤の市やマーケット/商店街の個人店/神社やお寺のおみくじ・お守り販売/カプセルトイなど
2. 現地での移動手段利用は計画的に!
都市部と地方の大きな違いの一つが、公共交通機関の利便性です。都市部では、電車やバスを1本逃しても、数分後に同じ行先に向かうものがすぐにやってきますし、代替のルートも探しやすいです。しかし地方に行くと、街の中心部から離れれば離れるほど、公共交通機関の種類や本数は少なくなります。
また、観光シーズンは世界各地から、そしてもちろん日本各地からも多くの人が訪れるため、バスなどが時間通りには来ない、来ても満員で乗れないといったこともあります。
それであればタクシーを!…と思うかもしれませんが、考えることはみな同じ。観光地では、ホテルのチェックアウトと重なる時間帯(概ね朝8:30~10:00頃)を中心にタクシーもすべてフル稼働で、思いついた時には予約も取れないということが起こります。場所や時間帯によっては、路上やタクシー乗り場で拾えることもありますが(日本は流しのタクシーを拾ってOK)、観光地ではこうした事態を避けるために予約している人も多いため、過度に期待しない方が安全です。都市部では使いやすいタクシーアプリが地方では使えなかったり、予約の電話で日本語以外の言語が通じにくかったりすることもあるので注意しましょう。
こうした事情を踏まえて、旅のプランは時間に余裕を持った計画を立てておきましょう。

例えば、紅葉シーズンの富士山河口湖周辺は、平日の早朝にも関わらず「河口湖」駅前からすでに大混雑。バスは長蛇の列でした。途中、タクシーを呼ぼうと電話すると、「到着まで20分以上かかる」と言われたこともありました。さらに、翌朝のタクシーを予約しようとした際は、既に予約がいっぱいで手配できないという事態に。たまたまホテルに特別送迎サービスがあったので利用することができましたが、旅慣れしているはずの私でも、ハイシーズンはそんな有様です。
公共交通機関のタイムスケジュールを確認するのはもちろんのこと、タクシーの手配や、利用ホテルの送迎サービス有無の確認など、できる限りの準備をしておきましょう。
- 観光地ごとに交通手段が異なるため、バスや電車の運行状況やスケジュールなどを事前に確認
- 多くの観光地では「周遊パス」が運行しており、フリーパスでお得に利用できることがあるため要チェック
- タクシーアプリが使えない、電話予約で多言語対応していないという場合も。送迎サービスがある場合は、ホテルのスタッフなどに協力をお願いするのも一案
3. レンタサイクルや電動キックボードは、交通ルールをしっかりと!
自然豊かな観光地では「美しい景色やおいしい空気の中で、自転車や電動キックボードで爽快に散策」というのもおすすめのアクティビティ。手軽に利用できるレンタルサービスも増えています。
一方、ルールを知らない、守らないことによる事故やトラブルが増えているのも実態です。特に観光地では、狭い道や混雑するエリア、車両走行できない道(歩行者専用道路)もあり、スピードや走行マナーには注意が必要です。また、どこにでも停めていいわけではありません。
いくら手軽であっても、下手をすれば大きな事故にもなりかねません。乗り物に乗る際は必ず日本の交通ルール、利用マナーを理解し、安全に利用するように心がけておきましょう。
以下が、大まかな基本の走行ルールです。
- 原則として車道走行(道路の中央ではなく左側を走ること)
- 一時停止マークでは、必ず停止
- 普通自転車であれば例外的に歩道の通行が可能だが、歩行者が優先(ベルなど鳴らさない)
- 並んでの走行は禁止
- スマートフォン、イヤフォンを使いながらの走行は禁止(話しながら音楽を聴きながらなど)
- 傘をさして走らない
- 車同様、飲酒運転は禁止
- ヘルメットの着用が努力義務(2023年4月1日より推奨)
- 「特定小型原動機付自転車」に分類され、16歳未満の運転は禁止
- 原則、車道を左側通行(右側通行は禁止)
- 二人乗りは禁止
- 一時停止マークでは、必ず停止
- スマートフォン、イヤフォンを使いながらの走行は禁止(話しながら音楽を聴きながらなど)
- 車同様、飲酒運転は禁止

河口湖周辺、河口湖大橋周辺では、レンタサイクルを利用する外国人観光客に多数遭遇しました。その際、やはり気になったのが「歩道走行」。自転車は原則車道走行ですし、歩道を通る場合はあくまで歩行者優先です。ベルを鳴らして歩行者に避けてもらって走行する自転車も多く見られましたし、歩行者専用道路に自転車で侵入して、注意を受けている方もいました。
特に電動キックボードについては、日本では海外ほど普及が進んでおらず、歩行者やドライバーも対応に慣れていません。利用の際にお店やスタッフの方から伝えられる注意点やマナー、ルールはしっかり守って楽しんでください。
4. 桜や紅葉などの観光シーズンであっても防寒対策は念入りに!
桜や紅葉の季節は基本的に過ごしやすい気候ですが、服装選びには注意が必要。特に山間の観光地では防寒対策をしておきましょう。
私が河口湖を訪れた2024年の秋はかなり気温が高めで、紅葉のシーズンが遅れている傾向にありました。ただし、基本的に紅葉は気温差が大きければ大きいほどきれいに色づくため、紅葉の名所=昼と夜の気温差が大きく寒いということ。山の麓や標高が高いところも多く、天気も変わりやすくなります。
また、昼間は太陽が出て温かくても、夜になるとぐっと冷え込み、ライトアップやイルミネーションなど夜の観光は、真冬並みの寒さになることもあり、ビルの多い都心部と自然豊かな郊外や地方では大きく異なります。
現地の天気予報を参考に自然のアクティビティを楽しむのに適した服装をベースに、ダウンジャケット、手袋、帽子、マフラー、ホッカイロなどのアイテムは準備しておくようにしましょう。現地で調達したくても、色々揃うお店は駅から離れていたり、比較的閉店時間が早めのため、観光を終えたころには閉まっていたりする可能性もあるため要注意です。
- 桜、紅葉、雪見などの観光スポットは川沿いや湖沿い、山間部であることが多く、夜の冷え込みは大きい。日中暖かくてもひと通りの防寒具は必須
- 現地で買えないこともあるため、予め持っていくと安心
- 登山やハイキングなどを含めた観光の場合は、安全も考慮した適した服装で
5. 地方のお店の営業時間は短く、休業日は急な変更もあり!
日本に住んでいる私ですら、海外から帰ると「コンビニが多くて、夜遅くまでやっているお店も多くて便利!」と感じますが、それはあくまでも都心部に限った話。郊外や地方に行くと、全体的にお店の閉店時間が早く驚くことがあります。
多くのお店は家族経営や個人経営が中心のため、大規模なチェーン店とは異なり、営業時間が短めに設定されているのです。「帰り際に立ち寄ろうと思っていたら、もう閉店していた」ということも多くあります。都市部の感覚のままでいると、せっかくのタイミングを逃してしまうことがあります。
飲食店でもランチであれば「11:00〜14:00のみ」、夕食は「17:00〜20:00」まで。平日の営業時間は短めで土日祝日は営業時間を延長しているお店、あるいは土日祝日しか営業していないというお店もあります。また空いているお店にはお客さんが集中するため、オープンしていても満席で入れない、予約ですでにいっぱいということも。お目当てのお店がある場合は、あらかじめ予約をしておきましょう。また、予約ナシで行く場合も、行く前には事前にお店に電話をして営業時間や空席状況の確認をするのがベターです。
また、Googleマップの情報が更新されていない、登録されていないこともあるため注意が必要です。Web上の情報を頻繁に更新していないところもあり、「マップ上では営業日、営業時間中のはずなのに、行って見たら閉まっている」ということもよくあります。Webやガイドブックだけの情報を信じていかず、直接電話で確認するのが確実です。
- 田舎のお店の閉店時間は早め、営業時間はしっかり確認
- Web情報が更新されていない場合があるので、どうしても行きたいお店や施設は電話で要確認
- 夜の飲食店は予約必須
私が立ち寄った河口湖で人気のパン屋さんも、お店のレジ前に「当面の間は15時までの営業とさせていただきます」との看板が。名刺やGoogle Mapなどには記載がなかったので、現地に行ってはじめてわかった情報でした。
6.「静かな観光」ものマナーのひとつ
田舎は自然環境や地元の人の生活環境を守るために、騒音や観光客のマナーについて厳しいところがあります。家族や友人など大人数で訪れて美しい景色をみれば、つい感嘆の声を上げてしまったり、写真を撮るのに夢中になって大騒ぎしたりしてしまいがちですが、できるだけ静かに自然を愛でるのも大事な観光マナー。寝るのが早く、その分朝早くから動いている人たちも多いので、特に夜の騒音には注意しましょう。
また、いくらきれいであっても、観光ルートから外れた私有地に入って写真を撮ったり、花屋や植物を持ち帰ったりするのはNGです。
- 「静かな観光」も自然を守る大事なマナー、現地の方の生活にも配慮する
- 観光ルートから外れたところでむやみに写真を撮ったり草花を摘んだりしない
季節や場所ならではのポイントをおさえて観光しよう
観光シーズンはどこも混雑しているので、移動手段の準備や余裕を持ったスケジュール設定など、事前の計画が欠かせません。また、現金主義や営業時間の短さなど、都市部との思わぬ違い、また母国との文化や習慣、ルールの違いに遭遇することもあるでしょう。
ちょっとした知識と事前の準備があれば、スムーズに楽しむことができます。観光名所ともなれば、都市部よりも英語対応できる人が多くいたり、英語表記やメニューが準備されていて言葉に困らなかったりと、かえって観光しやすいことも。このガイドを参考に、地方や田舎ならではのルールを尊重しつつ、日本の自然と文化に親しんで安全で楽しい旅行体験を叶えてください。
※本記事の情報は2025年4月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
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