
日本らしい自然、風情、文化、グルメを気軽に楽しむことができ、古くから温泉場として全国的に有名な観光地・箱根。近年は都心から気軽に来られるアクセスの良さもあって、日本人のみならず外国人旅行者にも人気です。
そんな箱根でぜひ訪れて欲しい宿が、箱根湯本駅からほど近い塔ノ澤エリアにある「金乃竹 塔ノ澤」。落ち着いた大人の隠れ家的宿です。
今回は、日々の喧騒から離れた癒し旅が趣味のLIVE JAPAN台湾人編集スタッフの張さん、日本生まれ日本育ちでありながら、旅をライフワークに世界をめぐる現役添乗員の私・島田みゆ、のふたりが実際に宿泊して体験したからこそお伝えしたいリアルな感想、魅力をレポートします。
癒し要素がたっぷり!ラクジュアリーな箱根の宿「金乃竹 塔ノ澤」
「金乃竹 塔ノ澤」は、かぐや姫の「竹取物語」をコンセプトにした同グループの箱根仙石原温泉「金乃竹 仙石原」の姉妹店としてオープン、2023年7月に10周年を迎えました。
「金乃竹 塔ノ澤」のある塔之澤(※正式な地名表記。塔ノ沢など簡単な表記も用いる)エリアは、鉄道やバスなどの交通機関が集結している「箱根湯本」駅から車で約10分、箱根登山鉄道「塔ノ沢」駅までは2駅です。
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広大な塔ノ澤の森の中に溶け込むように佇み、自然との調和を大切にした外観、インテリアや雰囲気、広々とした空間づくりが特徴的な宿で、全23室、8タイプのすべての客室は露天風呂付きです。
2023年には、自然を意識した空間、上質なサービス、環境配慮といったさまざまな点が評価され「Japan Brand Collection2023神奈川版」に選ばれています。
※ 「Japan Brand Collection」は、2005年の発行当初から各業界の専門家による厳格な選定基準を設け、「地方創生をテーマに日本のさまざまな業種の一流店」を雑誌とポータルサイトで紹介しています。
2024年以降は、長期滞在や訪日外国人観光客の方に向けた高付加価値化を目指して、サーマルプール、トレーニングジム・サウナ、特別なおもてなし&サービスが受けられるクラブフロア客室のリニューアルが完了予定です。
到着すぐに始まる手厚いおもてなし!ウェルカムサービス&チェックイン

箱根湯本駅前のバス停からは約5分、JR「小田原」駅からでも25分程で、最寄りの「出山」バス停に到着。宿の敷地の入り口となる大きなつり橋の目の前にバスは止まります。
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宿までは、通常の路線バスに加えて、箱根登山観光バスが運行する乗り合いシャトルバス利用も可。時間は限られますが、箱根湯本駅~「金乃竹 塔ノ澤」間が片道100円で乗車できます。
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つり橋の下に流れるのは早川渓谷で、ここから目にする緑色の橋は早川橋梁といい、タイミングが合えば箱根登山電車が走る様子が見られます。すでに宿の敷地内なので、「金乃竹 塔ノ澤」を利用する人だけが目にできる特別な景色です。
「周囲が自然に囲まれていてとても気持ちがいい!箱根登山鉄道が走る様子もイチ押しです。山の緑を背景に赤い電車が走る景色はすごく写真映えしますよ!」と張さん。電車が通り過ぎるのは一瞬なので、このタイミングを逃すまいと必死に連写しました。
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アプローチを歩いて宿泊棟に向かっていくと、その先のエントランスの門の前にはすでにスタッフの方の姿が!遠くからでもお出迎えをしてくれる様子に感激です。
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館内のロビーラウンジで、チェックインの手続きを進めます。
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チェックイン時には、好きなお茶菓子とドリンクのウェルカムサービスがあります。メニューは、お菓子がわらび餅かスフレチーズケーキ。ドリンクは、紅茶やコーヒー、ジュースのほか、ビールやスパークリングワインまであります。
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私は、白ビールとわらび餅、張さんはスフレチーズケーキと紅茶をチョイスしました。昼からお酒、スイーツも一緒に楽しめるなんて、贅沢感しかありません。お菓子をいただきながら、ゲストカードの記入、館内やサービスの説明を受けます。夕食、朝食時間は2部制。待ちきれない私たちは、夕食は早めの17:30~、朝はゆっくりと9:00~にしました。
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浴衣は数種の中から好きな柄を選ぶことができます。張さんは白地にピンクの花、私は黄色と黒のストライプ、写真映えを意識してお互い違う色味&柄にしました。
いざ客室!旅好きにはマストなルームツアー&アメニティチェック
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今回宿泊したのは「光(HIKARI)」タイプの客室。94㎡ある和洋室タイプで、大きなソファベッドとテーブル、琉球畳が敷かれた四畳ほどのくつろぎスペースがあります。
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部屋に入ると真っ先に目に入ったのが、大きな窓とその先の広々としたバルコニー&露天風呂。窓がまるで額縁のようでその中に広がる自然、吸い込まれるような一体感がある客室に、ふたりとも思わず「すごい~」と歓喜の声が漏れてしまいます。「こんなに広い部屋に泊まるのは初めて!すごくリラックスできそうで楽しみです」と張さん。
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香り豊かな青森ヒバのお風呂は、2人で入っても十分な大きさです。外には美しい緑の木々が茂り、風にそよぐ音が心地よいBGMとなって、心を落ち着かせてくれます。
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ベッドスペースも広々、ふかふかで肌ざわりがよい寝具は気持ちよく眠れそうです。空間づくりは特にこだわっているというだけあって、どこも解放感がたっぷり。室内には背の高い家具がなく、色使いもナチュラルで心が落ち着きます。
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張さんが旅先で欠かせないのが、アメニティや客室設備のチェック。冷蔵庫には、ビール、ワイン、お茶、水、ジュース類が用意されており、こちらはすべて宿泊料に込み!「こんなにたくさんの種類の飲み物が無料で、かつお部屋でゆっくり飲めるなんて…うれしいですね!」
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ホットドリンクは、人工香料を使用しない安心・安全なオーガニック製品で健康志向の方に人気のブランド「Mighty Leaf Tea」のお茶です。さりげないものにも、自然や人への優しさを感じます。
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タオルやバスローブ、チェックイン時に選んだものとは別の備え付けの浴衣、羽織、湯かご(お風呂用の小物を入れるためのかごバッグ)、スリッパなど、十分なアイテムが揃っています。
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こちらは足袋。裏にはちゃんと滑り止めが付いていてとても履きやすく、滞在中とっても重宝しました。
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シャンプーやコンディショナー、ボディソープ、ボディクリームは、オーガニックブランドの「Sensatia Botanicals」のもの。フェイスケアのクレンジング、洗顔、化粧水、乳液もあります。「どれも香りがよくて、温泉後にボディケアをしたらいい香りでぐっすり眠れそう!」と張さん。実際に、本当に心地よくてすぐに眠ってしまった私たちです。
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コットン、綿棒、ヘアブラシ、ハブラシはもちろん、入浴時に髪をまとめるのに必要なシュシュ(ゴム)やヘアクリップも。「女性が特に欲しいもの、細かいものまで完璧ですね!」と張さん。
日本の宿の醍醐味!プライベート温泉&湯上りの乾杯タイム!
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夕食までの時間は、もちろん温泉タイム!温泉めぐりが趣味の私、温泉旅館に滞在中は入れるだけ温泉に入るのがモットーです。少し熱めのお湯ですが、湯船横の蛇口から水が出るので好みの温度に調節できます。
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大きな窓から入浴中の自分が丸見え!?と思った方はご安心を。露天風呂利用中はすべての窓のブラインドが下げられるので、プライバシーはバッチリ守られます。
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室内にはアイランド型の洗面台、バルコニーと露天風呂をつなぐ間(写真左)には、別途シャワールームがあります。
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シャワールームで身体をきれいに洗い流したら、温泉へ。目の前のきれいな景色を独り占めしながら、温泉に浸かる…まさにこれこそ日本の旅館の醍醐味です。お湯はさらっとしていてとてもなめらか。湯あたりしづらい泉質だそうで、実際に何度入っても疲れることはありませんでした。湯上がりの肌はしっとりなめらかで、天然の美容液のようです。
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お互いゆっくり温泉に浸かった後は、部屋のドリンクで水分補給します。
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フロントデスクの前には、宿で使われているお香、ドリンクバーでいただけるお茶やスナック、箱根の名産品などが販売されています。
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夕食のダイニングスペースに向かう道すがら、ちょっとお買い物タイム。「風鈴の音って素敵ですよね」と張さんもお気に入り品を探します。
デザートまで完璧!本格的で豪華な創作懐石料理の夕食
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待ちに待った夕食は、和食の料理人の方々が腕を振るった「金乃竹 塔ノ澤」オリジナルの創作懐石料理。席に置かれた献立を見るとすごい品数で、「こんなに本格的な和食のコース料理を食べるのは初めてです!」と張さんも大喜び。
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日本酒には特に力を入れているとのことで、様々な地酒が用意されています。せっかくなので、神奈川県の銘柄で、この時季ならではの“ひやおろし”(秋限定の日本酒)をいただきます。まろやかで甘みがありながら食事との相性もばっちりで、つい何杯もいきたくなってしまいます。
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メニューは季節によって様々で、旬の素材を生かしたものが中心。柿を器に使った和え物、めずらしい食材を使った煮物、焼き物など、和の料理人が生み出す繊細な手仕事が光ります。
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醤油だけでなく、泡のお塩で食べたお刺身の味も忘れられません。器や盛り付けもきれいで、目でも楽しめます。
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スタッフの方が一品一品、料理の説明をしながらサーブしてくれるのでどんな料理かがわかり、よりおいしさが感じられます。どれも手が込んでいて、日常では味わえない味に感動しっぱなしです。
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見事な霜降りが入ったかながわ牛。目の前の陶板で焼き立てをいただきます。
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張さんもこの笑顔。焼き上がったお肉はとても柔らかく、脂は甘くジューシー、一瞬で溶けてなくなってしまいました。
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旬の秋鮭をまぶしたご飯には、たっぷりの筋子をのせて。ご飯とおみそ汁はお替りもできます。
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デザートも5種類とボリュームたっぷり。中でもサツマイモのムースは初めて食べる味で、新食感でした。
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デザートはこちらのラウンジでもゆっくり食べることができます。普段なかなか食べることができない贅沢な和のフルコースを十分堪能しました。
まだまだ満喫!大満足の夕食後はBarで大人女子トーク
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ラウンジにあるバーカウンターでは、ソフトドリンク~アルコールまで注文できます(15:00~22:00/7:00~11:00まで。レストランへの持ち込みは不可)。こちらもなんと宿泊料に込みで、追加料金はナシ。大満足の夕食でお腹いっぱいでしたが、食後のリラックスタイムでさらに1杯いただくことにしました。
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こちらのスペースは「Bar Bamboo」。取材時は一時的に営業休止中でしたが、ラウンジとして利用できたので、カウンターで注文したドリンクをこちらで飲みながらゆったりと過ごしました。
「寝酒の1杯なんて、大人旅らしいですね」と張さん。
2023年11月現在は、バーとして営業中です。(営業時間19:00~24:00、チャージ1,100円/1名あたり)
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落ち着いた上品な雰囲気と、お酒も手伝って、「最近、仕事はどう?」「日本での生活はどう?」など、旅ならではの深い話に花が咲きます。
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花火と言えば日本の夏の風物詩ですが、ここ「金乃竹 塔ノ澤」ではラウンジ前のバルコニーで一年中、線香花火が楽しめます。
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最近は都心で手持ち花火ができるところが少なくなっており、実はとても貴重。
「台湾には線香花火がないのですが、小さい頃からずっと日本のドラマで見ていたので懐かしい気分!」と張さん。
私も久しぶりの手持ち花火だったので、なんだか童心に返ったようで楽しめました。寒い時こそ、肌を寄せ合って火を眺める時間は、なかなかいいものです。
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部屋に戻って寝るまでの間は、バルコニーのソファスペースでトークの続き。夜風にあたりながら、静かで穏やかな時間を過ごします。そして寝る前にもう一度温泉に入り、ゆっくり休みました。
絶景を眺めながら朝瞑想!体を起こしたら、栄養たっぷりの朝食を
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快適なベッドでぐっすり眠った翌朝。鮮やかな緑と降り注ぐ太陽の素晴らしい景色とともに目覚めます。せっかくなので大きな窓をいっぱいに開けて、2人で瞑想タイム。そよぐ木々の音を聞き、心地の良い風を感じながら、心と体を目覚めさせていきます。その後、サッと露天風呂に入り、朝食前の準備は万端です。
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朝食は夕食と同じダイニングスペースへ。
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朝食は、和食or洋食から選べます(チェックイン時に選択)。今回は、張さんは洋食、私は和食を選びました。夕飯同様、朝の献立表にも、一品ずつの料理の説明があるのが嬉しいです。
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和食のメニューはこちら。旬の蒸野菜、豆腐、焼き魚、玉子焼き、おかゆなど、典型的でありながらも豪華な旅館の和定食で1日のエネルギーを養います。ご飯とお味噌汁はお替り自由です。
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洋食メニューのサラダ。
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フレッシュオレンジジュースにオムレツ、ソーセージ、スープに3種の温かい焼きたてパン。パンとスープはお替りOKとのことで、パンのおいしさに感動した張さんはしっかりお替りしていました。
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食後はラウンジでリラックスタイム。
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朝は太陽の光がたっぷり浴びられる明るい空間、チェックアウト時とはまた違った景色でよりオープンな気持ちになります。
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ドリンクコーナーで注文した食後の一杯を楽しみながら、改めて滞在の思い出を語り合いました。
ヒーリングスポットがたくさん!チェックアウトまでは敷地内を散策
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チェックアウトまでは敷地内を少し散策。ここから下に降りると川が流れており、初夏にはほたるが見られるそうです。
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別棟にある「THE MOON SPA」。予約制でボディやフェイシャルのオリジナルトリートメントが受けられます。
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2023年7月にオープンした鉄板ダイニング「禅」。神奈川県内で唯一、年間出荷 48 頭の希少なプレミアムビーフを提供しています。また、最上級品質の神戸牛コースもあり、こだわりの和牛が味わえるレストランです。
チェックイン時に追加料金をプラスすれば、こちらで夕食を取ることもできます。2024年1月には通常のレストランとして、一般開放する予定だそうです。
「金乃竹 塔ノ澤」は心も身体も癒されて満たされる場所
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今回の滞在で、あらためて張さんに感想をきいてみました。
「温泉には行ったことがありますが、温泉露天風呂付きのお部屋は初めてで、昼から朝まで好きな時間に好きなだけ入ることができて本当に贅沢な体験でした。スタッフの皆さん全員がやさしくて、丁寧な対応をいただいて、とてもいい思い出になりました。帰り道、次はいつ泊まろうかと考えていたくらいです(笑)」
海外だけでなく日本各地に泊まってきたからこそ私が感じたのは、「金乃竹 塔ノ澤」の空間づくりへのこだわりと接客サービスの質の高さです。どのエリアも広々として、気持ちまでオープンになる心地のよさ。そして滞在中、いつどこでどのスタッフの方に会っても、本当に丁寧で気持ちの良い対応で、今振り返ってもその時の心温まる記憶が残っています。“ホテルリゾートのような過ごしやすさがありながら、日本が誇るおもてなし、一流旅館のサービスがある”、これこそが外国の方におすすめしたい一番のポイントです。
一歩踏み入れれば、箱根湯本周辺や近隣のイメージとは違った特別な空間が感じられる、「金乃竹 塔ノ澤」。心も身体も癒される日本の旅の思い出として、プライスレスな滞在になるはずです。
- 対応言語
日本語、英語 - 施設情報
・部屋数:全23室/8タイプ
・営業時間:チェックイン 15:00/チェックアウト 11:00
・料金:50,750円~(税込、入湯税込)/1名 ※平日2名1室利用/1名あたり
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住所
250-0315 神奈川県箱根町塔ノ沢 191
地図をみる -
最寄駅
塔ノ沢 駅 (箱根登山鉄道)
徒歩23分
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住所
250-0315 神奈川県箱根町塔ノ沢 191
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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