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訪日外国人旅行者が年々増加する中、日本の伝統的な施設のルールが少しずつグローバルに変化しています。それが顕著なのが銭湯です。かつては刺青や外国人お断りというところも少なくありませんでしたが、最近は“タトゥーフレンドリー(タトゥーをしている方の入店OK)”の銭湯が増えています。
そこで今回は、東京都内にあるタトゥーフレンドリーな3つの銭湯を紹介。すべて特色豊かな老舗の銭湯ばかりです!
銭湯の正しい入り方を知っていますか?
外国人&タトゥーフレンドリーな銭湯を紹介する前に、正しい銭湯の入り方を学びましょう。
まず、銭湯の入り口で靴を脱ぎ、「下足箱」というボックスに入れましょう。次に、「番台」と呼ばれるフロントで、お金を払います。ほとんどの場合は前払いで、自動販売機で入浴券を販売している銭湯もあります。
男女に分かれた入口を通りぬけると脱衣所があるので、ここで衣服を脱ぎましょう。ロッカーに自分の衣服や貴重品を入れて、鍵をかけ忘れないように!
浴室に入ったら、シャワーで体の汚れを流してから浴槽に浸かります。ほとんどの銭湯のお湯は熱めなので、我慢せずに浸かりましょう。熱いお湯は5~10分程度、ぬるいお湯は20分程度が適切な入浴時間です。
脱衣所に戻るときは、濡れた体をタオルでしっかり拭いてから。入浴でたっぷり汗をかいているので、水分補給をして、休憩スペースなどで体を休めましょう。
銭湯に入る前の注意事項
・浴室に入るときにはパンツを脱ぐ
・湯船に入る前に汚れた体を洗い流す
・湯船にタオルは入れない
・シャワーは座って使い、使わないときは湯水を止める
・洗濯はしない
・脱衣所に戻る時は濡れた体を拭く
日本の銭湯はスペースが限られているので、周りの方に配慮しながら入りましょう。
ここからは、東京都内にあるタトゥーフレンドリーな3つの銭湯を紹介します。上記の事柄を思い出しつつ、ぜひ日本の銭湯を楽しんでみてください!
1. ステンドグラスがきれいな天然温泉「はすぬま温泉」
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品川駅から電車で約20分の「はすぬま温泉」は、源泉100%の天然温泉です。お肌がツルツルすべすべになると評判が高く、“美肌の湯”と呼ばれています。平日から、近所の方はもちろん、天然温泉を求めて遠方から来る人たちでにぎわっています。
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地域で古くから愛されていたはすぬま温泉は、2017年に大幅リニューアル。日本の大正時代を彷彿とさせる、ロマンティックなムードが漂うデザインに生まれ変わりました。
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壮大な滝のタイル絵はリニューアル前からの名物。男湯と女湯を仕切る丸窓の花鳥風月画がとても華やかで、滝の絵とのバランスが抜群です。
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浴槽は、温泉、温泉炭酸泉、源泉水風呂の3槽。炭酸泉は血行促進の効果が期待できるため、旅の疲れを癒せそうです。
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サウナの利用料金は300円。壁面や床にはヒノキが使われているため、室内にはやさしい天然木の香りが漂います。じっくり熱さに耐えたあとに源泉かけ流しの水風呂で汗を流す。これ以上の贅沢はありません。
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脱衣所は、ステンドグラス、シャンデリア、格子モチーフの格天井と、ひとつひとつの装飾にこだわりがたっぷり。天井が高く、窮屈さはまったくありません。
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湯上がり後にくつろぐロビーもおしゃれで清潔感が溢れます。注目は、足元にあるのぞき窓。よく見ると……あれ?鯉が泳いでる!? 実はこれ、デジタルサイネージで鯉の映像が映っているんです。かつての都内の銭湯で鯉の泳ぐ池は珍しくなく、その伝統を忘れないために造られたそうです。
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外国人の利用者向けに、英語で説明するツールも用意しています。石鹸やタオル大小2サイズをレンタルできるため、お風呂に入る準備をせずに行ってもOK。かつての伝統を残したまま美しくリニューアルしたはすぬま温泉は、電車を乗り継いでも行く価値のある天然温泉です。
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はすぬま温泉
- 住所 東京都大田区西蒲田6-16-11
-
最寄駅
東急池上線蓮沼駅から徒歩2分
- 電話 03-3734-0081
営業時間:15:00~25:00
定休日:火曜日
料金:大人470円、小中学生180円
2. イベントやユニーク風呂を定期開催する「小杉湯」
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新宿から電車で約15分の高円寺は、ミュージシャンやイラストレーターなどクリエイターに人気の街。ここで90年近い歴史を持つ「小杉湯」は、サブカルチャーな街にぴったりのクリエイティブな銭湯です。
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富士山のタイル絵、白を基調とした清潔感のある流し場、ジェットバスと、「これぞ日本の銭湯!」と唸りたくなる浴室。浴槽はジェットバス、水風呂もあります。
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脱衣所もシンプルそのもの。シャンプーやボディソープのほか、アメニティやタオルも無料で貸し出しているのがうれしい。こだわりたい方のために、50円でタオルの名産地・今治のふわふわなタオルが借りられます。
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脱衣所もシンプルそのもの。シャンプーやボディソープのほか、アメニティやタオルも無料で貸し出しているのがうれしい。こだわりたい方のために、50円でタオルの名産地・今治のふわふわなタオルが借りられます。
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小杉湯の特徴は、季節限定でユニークなお風呂に入れること。名物のミルク風呂は毎日入れるほか、みかんが浮いたみかん風呂、日本のトマトジュースメーカーとコラボしたトマト風呂など、ほかの銭湯ではあまり体験できない湯船に浸かれます。
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また、サブカルチャーの街にふさわしく、アートの要素も満載。お風呂上がりの休憩スペースはギャラリーになっており、壁には定期的に入れ替わるアート作品を展示。脱衣所の使い方はかわいらしいイラストで案内されています。
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小杉湯のもうひとつの大きな特徴は、特色のあるイベントを積極的に開催していること。落語、音楽イベント、日本版オクトーバーフェストなど、普段銭湯に通い慣れていない人も参加しやすいものばかりです。
さらに小杉湯では、英語を話せるスタッフさんがいるほか、英語版のパンフレットがあります。高円寺は飲食店が多くて日本のカルチャーを体験できる街なので、外国人のお客さんも増えているそう。
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日本の銭湯はもともと地域の老若男女が集まる場として重宝されていました。世代や人種を超えてさまざまな人が集まる小杉湯は、今も昔もアットホームな雰囲気に包まれている銭湯です。
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小杉湯(こすぎゆ)
- 住所 東京都杉並区高円寺北3-32-2
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最寄駅
JR高円寺駅から徒歩5分
- 電話 03-3337-6198
営業時間:15:30~25:45 ※日曜日のみ8:00~25:45
定休日:木曜日
料金:大人470円、中人(小学生)180円、小人(幼児)80円
3. 創業150年以上!銀座のど真ん中にある「金春湯」
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東京メトロ銀座線銀座駅より徒歩5分。東京の中心地にある「金春湯(こんぱるゆ)」は、なんと1863(文久3)年開業という老舗中の老舗です。現在、銀座には、金春湯ふくめてたった2軒しか銭湯がありません。
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浴室に入ると、見事な富士山の絵を拝めます。これは、日本で2人だけのペンキ絵師の1人、中島盛夫さんの作品です。ほかにも、錦鯉や花鳥風月といった九谷焼の美しいタイル絵が散りばめられています。
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脱衣所は、昔ながらの銭湯の雰囲気がたっぷり。入浴料の支払いや石鹸などを販売している番台、鍵がついているロッカー、大きな扇風機も現役。番台の正面には、100年以上前に作られた古い神棚が今もあります。トイレはウォシュレットがついている男女別の洋式トイレなので安心です。
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金春の浴槽は2槽。菖蒲、ラベンダー、ゆずなどの季節に合わせた草花のお湯に入れる日もあります。シャンプー&リンス、ボディソープは浴室内にあるので、購入して持っていく必要はありません(ただし、第2・第4金曜日のふれあい銭湯100円デーには設置しないため要注意)。
臨時休業やイベントの情報は、公式Facebookページで発信しています。日本語のみですが、行く前にチェックしておけば確実ですね。
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店員さんはどなたも親切で、外国人にもフレンドリー。ホテルに戻る前の帰り道やお買い物の合間に立ち寄りやすい立地なので、日本のレトロな銭湯を体験するにはうってつけの施設です。
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金春湯(こんぱるゆ)
- 住所 東京都中央区銀座8-7-5
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最寄駅
JR新橋駅または東京メトロ銀座線銀座駅より徒歩5分
- 電話 03-3571-5469
営業時間:14:00~22:00
定休日:日曜祭日
料金:大人(12歳以上)470円、中人(小学生)180円、小人(未就学児)80円
旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。
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